北欧
崩壊家族保護施設
ヘルシンキの崩壊家族保護施設

崩壊家族保護施設
ヘルシンキの北西郊外にあるパーカウンプンジン・トゥルヴァコーティは、崩壊家族の男女、子どもを保護する施設。
家庭内暴力の防止、犠牲者の援助、施設から出たあとの支援をしている。
フィンランドにあるこの種の保護施設のほとんどが非営利団体が運営し、自治体直営の施設はまれにしかない。
25年前に設立され、当初は女性と子どもだけを対象としていた。滞在期間も1〜2日だけと短かった。
現在は男性の犠牲者の利用もできるようにしているが、利用は年間に1〜2%程度しかない。
男性にとってこの種の保護施設は、心理的に利用しにくいのだろう。
定員は10名と子どもたちで、子どもたちの定員は設けていない。子どものいる人を優先して保護している。
滞在期間は1日から2か月まで。その後は、自宅に戻るか、別にアパートを借りて移る。
現在、ここから出たあとに住む住宅の建設計画に着手していて、04年に19戸が完成。
そこには6か月から1年住めるようにする。
利用者はここから仕事に通う。子どももできるだけここからこれまで通っていた学校に通うようにしている。
運営の財源は、利用者が所属する自治体からの利用料が主になっている。
スロットマシーン協会RAYからの補助金収入もあり、それはオープンケアの費用にあてている。
利用者は、警察、自治体の福祉関係者、病院から紹介されてくる。電話番号は公開してあるが、施設自体のドアはロックされていて、出入りは制限されている。
利用者がここに入居したあと自分がここにいることをパートナーに告げるかどうかは、利用者の判断に任されている。
入居後にカウンセリングがあり、今後の希望をだしてもらうが、最終的には本人が決定する。
しかし、利用者はNGO側の意向を感じ取ってしまい、最終判断はNGOの意向に沿おうとする。
パートナーと別れるとの結論を出したのに、実際は隠れてパートナーと会っているケースもしばしばある。
ここにくる人の42%はまた同じパートナーに戻っていくので、そのパートナーを変える必要がある。
パートナーの中には、自分からセラピーを受けにくる人もいる。
こういう人には自分を変えようとする意思があるが、そういう人は少ない。
また、セラピーを受ける人の多くが、セラピーを受ければパートナーが戻ってくると期待しているので、戻らない場合の失望感が大きい。
しかし、このセラピーは重要。普通の夫婦でも半分は離婚する国柄なので、次の結婚では家庭内暴力をなくすように指導していく必要がある。
3歳以上の子どもにはインタビューをする。
子どもたちもよく話したがる。児童施設では話したがらない子どもたちなのに、ここには安心感があるらしい。
子どもたちは何が家庭で起こっているかよくわかっている。
自分の目で見なくても感じ取っている。
こどもの心理判定員が劇や歌などを使って心理判定をする。
そしてプログラムを作ってセラピーをしていく。
家庭内暴力を振るう人の子が家庭内暴力者になる可能性は高く、暴力は代々伝わるので、子どものセラピーは非常に重要になる。暴力連鎖を断ち切らねばならない。
子どもに父親の役割を教えることも大切になる。
オープンケアは主に次の3つの活動をしている。
- 家庭内暴力についての相談活動。家庭から逃げるには至らないが、なんとかしたいと考えている人に助言している。
- ここの利用者の30%が20か国からの移民で、出てからのアフターケアをしている。
- フィンランド人利用者のアフターケア活動。感情のコントロールを支え、自立できるようにする。
利用者のグループを作り、2年間にわたり、月に1回程度ここで指導員と話し合いをする。
父と会えない子どもを、指導員が立ちあってここで会わせることもする。






