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北欧

スウェーデンの教育/障害児教育

保育園 Daghem

ダーグヘムという名称の意味は、「昼間のおうち」となる。つまり、子どもを預かる施設という考えではなく、家庭という考え方であり、保母は母親、保夫は父親として位置づけられている。生後9ヵ月(育児休暇が9ヵ月のため。実際には6ヵ月の子もいる)〜6歳までの児童を預かる施設。92年まですべて公営だったが、現在は民営の施設もできている。
月曜〜金曜の朝6時半〜18時頃までオープンしている。保育園と幼稚園は一本化しており、読み書き、算数は教えないが、季節の変化、自然の大切さ、環境保護、友人関係、遊びの楽しさなどはしっかりと教える。ノーマリゼーションという言葉から、北欧では障害児と健常児が一緒に生活しているとの誤解が生まれたが、障害児は少しの例外を除き、障害児専門の保育園または部屋で生活している。保育園の足りない地域では、ダーグママという家庭の主婦が子どもを預る制度もある。どちらも費用は有料で、親の収入に応じている。

就学前学校

保育園では勉強はしないので、学校へ入るとついていけない子どもがいる。このため就学前の6歳児を対象に1日3時間の準備勉強をする教育が実施されている。これを幼稚園教育と呼ぶ人もいるが、教育場所は学校が多い。
費用は無料。

基礎学校

6〜16歳の9年制。数年前まで7歳就学で、今は6歳でも就学できるという選択制。6歳から入学する子どもも増えている。9年制を1〜3年、4〜6年、 7〜9年の3段階に分けて考えていることが多い。7〜9年を中学校として分けている学校もある。

8月中旬からはじまりクリスマス前に終わる秋学期と、1月10日頃から始まり6月初旬に終了する春学期の2学期制。秋と冬に各1週間のスポーツ休暇がある。

費用は公営は無料。

1クラスの定員は28名で、ほとんど20名程度のクラスになっている。1年生は人間関係や集団生活を身につけるのが主体で、数字や文字は絵を使って覚える程度の教育。まず学校に馴れてもらうことが重要で、心の準備ができてから勉強を始める方針が理解できる。授業も、先生が黒板にどんどん書くということはなく、何かのテーマについて生徒の意見を聞き、その意見をいくつも書いていき、子どもの考えを引出しながら色々な考えがあることを教え、考えることを学ばせる。わからない子どもには補助教員がつくこともある。試験は8年目までない。

最近はシュタイナー学校、モンテソリー学校などの一部有料の私立学校もできている。また普通の基礎学校の教育もシュタイナー学校やモンテソリー学校からの影響を受けたと見られる部分がある。

高等学校 Gymnasiet

16〜19歳の3年制。基礎学校の最後の2年間の成績により、高校進学及び進学コースが決る。一つの高校の中に普通コースと各種職業コースがある。普通コースへ行く子どもは大学進学を希望し、多くの子どもは各種職業コースに進む。職業コースでは、社会に出てからの実務を教え、自動車修理コースでは、卒業までにボルボの修理が完全にできるように教えられる。身体障害児も受け入れる高等学校もある。

大学 Universitet

国立の総合大学は6校。工学、美術、演劇、音楽などの単科大学は約65校ある。92年の教育改革で私立大学も1校誕生した。高校の成績と試験による選抜で入学が許可され、2〜5年制。医学、建築などは志願者が多く、狭き門になっている。

国民高等学校 Folkhogskola

19世紀にデンマークの思想家グルントヴィが、18歳以上の成人を対象に大学教育や職業訓練から離れた、人間教育の場としての自由な学校を提唱し、教師と生徒が自由にディスカッションしながら何かを学ぶ学校として育ってきた。やがて北欧諸国にも影響を与え、各国で成人学校が設立され、現在に至っている。

各学校はそれぞれ音楽、美術、国際政治、コンピューター、数学、天文などその学校の特徴となるテーマを持っており、学習期間は4週間から24週間と各種ある。学校は寄宿舎を持っており、そこに宿泊して学ぶのがふつう。授業料・寄宿料とも有料だが、国からの補助があるのでたいへん安く学ぶことができる。

この学校は、「リターンマッチのできる国」として重要な教育期間になっている。高校の職業コースで造船技術を学んだ人は、いまは造船業がほとんどなくなり、別の技術を学ぶ必要がある。そういう人の再教育の場になっている。

障害児教育

基本的に統合教育は少ない。知的障害児は別の特殊学校で授業を受ける。統合教育の学校も基本的には身体障害児を対象にしており、授業は特殊学級、校庭や食堂などの共通の場でともに生活している。また、その子どもの障害の程度にあわあせた教育も行われており、健常な児童と一緒の授業が可能な場合には、個人ヘルパーをつけて授業を受けている。高校になると身体障害児のみ受け入れる特定の高校がある。また、障害者専門の成人教育施設(国民高等学校)もあり、ここで補充教育を受けてから大学へ進学する例もある。

サムハル Samhall

全職員約35,000人のうち約30,000人の障害者を雇用する国営企業。障害者乃「労働力をどう有効に利用するか、という視点から労働省の管轄下で設立運営されている。IKEAの下請けなどの製造業部門もあるが、健常者との競争が厳しくなっているので、サービスハウス内のレストラン、町のカフェ、犬預りセンターなどのサービス業に力を入れている。

障害者グループホーム

同じ程度の障害者を数人ずつ一つの家に居住させるもので、家庭に近い環境で住むことができるようにしている。介護者が同じ家または隣接する家に住み、24時間介護が保証されている。

介護判定員

コミューンの高齢者障害者課の中4人程度の判定員(査定員。公募され、面接の上で選抜されて指名される)がおり、高齢者障害者にどの程度の介護を提供するか査定する。また、施設に居住する人、ヘルパー介護を受けている人から苦情を聞いたり、民間委託になった施設の住人からアンケートをとったり、施設の介護の質を査定したりもし、民間委託しても質を維持するようにしている。

エーデル・リフォルメ AderReformen

92年1月1日より、福祉と医療の連携を深めるため、これまで県の管轄だった老人医療も、福祉と同様にコミューンが管轄することにした医療福祉改革。この改革により、これまで県の管轄だった長期療養病院が、コミューン管轄のナーシングホームへと移管された。

老人介護を医療から福祉の管轄へ移すことにより費用の削減を可能にする一方、県からより小さな単位であるコミューンへ管轄を移すことにより、キメ細かな介護を可能にしようとするもの。94年1月1日からは障害者法の改革が行われ、介護者選択の自由が与えられた。95年1月からは精神病院が解体され、精神障害者もコミューンの管轄になった。

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