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男女平等オンブッド

男女平等オンブッドのホームページからの抜粋

男女平等オンブッドのもっとも重要な役割は、法律を施行させ、それによってその法に付随するさまざまな規定を保証することである。
オンブッドは規定の不履行に関する訴訟を受け、また訴訟はオンブッドの首唱で扱われる。

住所:ノルウェー オスロ 私書箱8048Dep 男女平等オンブッド
電話:+47 22 05 59 70
FAX:+47 24 05 59 80
E-mail:post@likestillingsombudet.no

男女平等オンブッドという制度

男女平等法は男女平等の普及促進と施行のため、男女平等オンブッドと男女平等上訴委員会という組織を設けている。
この法は明確でしっかりとした独立法人を抜きにしてはうまく実行され得ない、ということが知られていた。法人は利用しやすいことが求められ、また無償で働くこととされていた。

オンブッドはスカンジナビアのオンブッドの伝統に由来する。これはそもそも個人と行政との間の正義を確実なものにするように備えられていた。最初の男女平等オンブッドは1979年に政府によって設置された。
男女平等オンブッドのもっとも重要な役割は、法律を施行させ、それによってその法に付随するさまざまな規定を保証することである。

オンブッドは規定の不履行に関する訴訟を受け、また訴訟はオンブッドの首唱で扱われる。
個人、集団、労働組合のような組織や、企業主の組合はすべて、オンブッドの元に訴えを提出することができる。オンブッドは通常は判定を義務付けることはできないのだが、法の不履行が発覚した訴訟では任意の合意のために働きかける。しかし、オンブッドの勧告には応じることが望まれる。もしも応じなければ、訴訟は上訴委員会に提出される可能性がある。

上告の不在の際にオンブッドの出した判定を無視することは、行政権威内での規定の不履行とみなされる。

男女平等上訴委員会

男女平等上訴委員会は、オンブッドの出した判決についての不服、またオンブッド自身から再考のために提出された訴訟に裁定を下すために、召集される。委員会は7人のメンバーで構成され、彼らのほとんどは弁護士である。

オンブッドとは違って、上訴委員会は判定を義務付ける権限をもっている。男女平等法を破るすべての行動を禁じ、その行動が停止される(もしくは繰り返されない)ことを保証するために必要なあらゆる処置を命ずることができる。また、委員会は法の不履行の訴訟において賠償金額やその他の金銭的保証を裁定することはできない。

特別な法人の存在は、個人が直接裁判所に訴えるのを妨げることはできない。オンブッドを含む正式な手続きが、無償で行われ、また弁護士の援助もなしに実行される可能性があるので、裁判所はこのような事態にはめったに使用されない。

情報

オンブッドの2つ目の機能は、公共事業機関や一般の人々に法に関する情報や、オンブッドの機関についてやその働きについての情報を供給する、ということである。これは記事やインタビュー、会議、講義、全員出席の元に開かれるディスカッション、政府によって備えられた委員会への参加を通じて行われる。

オンブッドの役割は公的なもので、本人がしばしばメディアにも出演する。ノルウェーでは、メディアを含むだれもが、オンブッドのオフィスを含む公的な部門に送られた、もしくは受け取った書類や手紙を見る権利を持っている。
この法律とオンブッドのもう一つの重要な側面は社会における構造上の性差別にオンブッドが接近することができ、査定を行い、新しい法律案に対して発言権がある、ということである。

このような方法で、オンブッドはいわゆる「番犬」の役割を果たすことが出来、また他の公的事業機関の働きに干渉することができるのである。

男女平等法の施行

2000年、オンブッドのもとに提出された訴訟の数は、前年に引き続き上昇を見せた。
2000年の間に、266件の新たな訴訟がオンブッドの事務所には登録された。1999年に254件の訴訟を受け付けたことに比べて、小数だが、上昇している。オンブッド事務所が受け取る訴訟の数は、90年代の半ばから伸びつづけている。公になった訴訟の他にも、オンブッドは広範囲にわたる法的なカウンセリングを電話による問い合わせなどで行っている。2000年に417件の問い合わせに答えた。
これもまた、1999年の393件の回答に比べて、上昇している。

訴訟

オンブッド事務所に提出される訴訟の中では、いまだに職場での性差別に関連したものが多くを占める。
全部で86件の訴訟が、就職、求職の広告や給与の不平等などに関連した事柄であった。妊娠、有給育児休暇や同居の別の形などについての質問がそのうち32件のテーマであった。

残りのケースのうち、16件は教育に関するもので、7件は表現や言論の自由に関するもの、さらに6つのケースは様々な公的機関の差別的慣習、つまり女性が配偶者の名で登録されてしまう登録の慣習という問題を含んだものもあった。

さらに、16の性差別的表現を含んだ広告に対する訴えがあった。これらの訴えは消費者オンブッドに送られる。消費者オンブッドは、広告における性差別を禁じる規定を持つ、消費者向け製品の統制法を強制することが出来る。

訴訟の結果はだいたい4つのパターンに分かれる。訴訟の22%は、オンブッドが男女平等法の違反行為が行われた、と結論付けた場合。25%は、オンブッドの結論が逆で、訴訟内容は法の内容と一致する、とみなした場合。その他の25%はオンブッドが批判すべき状況であると判断するが、違反行為であると公言するだけど明確な言明がない、という場合。そして残りの28%は、訴訟の実質的な側面が話し合われることも結論に達することもなく訴訟が中止になった場合である。
この場合はほとんどのものが、結論に達する前に当事者同士が合意に達した場合である。

2000年の間にオンブッドに提出された訴えや、アドバイスを求めてきた人のうち、約半数が女性であった。
25%の訴訟は男性が提出したが、個人の利益のためにか、もしくはもっと一般的な性質の質問をしたからか、別の組織が残りの訴訟を進めた。それに加えて、オンブッドが24件の訴訟の主導権を握った。

看護婦と技師に対する同等給与

一人の看護婦と一人の技師が、地域の病院の同じプロジェクトのために同時に雇用された。彼らはそれぞれの役割と責任を担っていたが、同じチームのメンバーとして働いていた。雇用主は彼ら二人が同じだけの労働価値分を働いた、と判断した。それにもかかわらず、女性看護婦には、男性技師よりも年間NOK60.000も給与が少なく支払われた。雇用主は、2人の給与の差は、技師が一般的に言って「市場価値」が看護婦よりも高いからだ、と説明した。この事件はオンブッドによって調査され、男女平等法に違反する、と結論付けられた。

オンブッドは病院側が、男性技師の高い給与が必然であるということを立証することが出来なかったことを指摘した。技師は雇用された際、とくに具体的な給与を提示されていなかったのだ。そのうえ、彼だけが唯一の資格ある申込者ではなかった。オンブッドは主張した。給与の不平等についてはっきりした理由がない場合、ある特定の技能を持った人間が特定の職業に雇用されることは、一般的に言って、同じ働きをした2 人の従業員間の賃金差を確立し支持するのに、充分な理由にはなりえない。

この事件が上訴されたとき、上訴委員会もオンブッドとまったく同じ結論に達した。

女性と男性の保険料の差

保険会社が女性と男性に額の異なった保険料を課しているとき、それは男女平等法に違反していることになるのか、オンブッドは評価を下した。たとえば、女性は年金を受け取るのに、男性よりも高い保険料を支払わなければいけない。理由は、女性は統計的に男性よりも長生きするからである。
オンブッドは、その発足時とかわらず、性に関する一般的な情報に基づいた、個人に対する差別的扱いに極めて批判的である。

もしも会社が集団で年金の契約をしている場合に、女性と男性の保険料の違いは、雇用者に就職の際に女性よりも男性を優先する経済的動機を与えてしまう可能性がある。 しかし、このシステムに対するよりよい方法は近年には存在しないという点から、オンブッドはこれを認めざるを得ないということがわかった。

オンブッドの結論では、男女平等の視点から見ても、性の区別がない保険料は、さらに差別的な保険をうみだし、長い目で見てネガティブな効をもたらしてしまうだろう、ということであった。

2000年の終わりには、経済省が、性差別のない保険のシステムを評価することを目的とした委員会を設置した。
男女平等オンブッドであるクリスティン・ミーレさん自身も、委員会のメンバーである。

妊娠している労働者に対する差別

オンブッドは、妊娠中の労働者に対する差別に関する訴えも多数受け付けてきた。絶えない訴えは、雇用に関する問題である。
たとえば一つのケースは、ある研究室で働く技術者が、地域の病院に志願を拒否されたことである。その志願者への手紙の中では、病院側は彼女の育児休暇が終わり次第、似たような地位の職に歓迎する、といった内容であった。志願者は、これは病院側が彼女の妊娠と育児休暇を理由に彼女雇用しなかったという意向の表れだ、と主張しています。

原則として、雇用者は、終身の地位の雇用に妊娠や育児休暇の重要性を結び付けてはいけないことになっている。
病院側は、別の志願者を雇用したことについて、彼女が妊娠していたことは考慮に入れてはいなかった、と否定している。同時に、病院は研究者の強い必要性を強調した。雇用において、その職における継続性と、雇用された人物が実際にその職場にいてくれる、ということは真剣に考慮されることである。オンブッドは、現実にはやはり病院は彼女の妊娠とその後の育児休暇を考慮の上で決定的なものとしたのであろう、と判断した。

雇用主たちは、妊娠している志願者の雇用の問題に関して、複雑だと頭を抱える。彼女たちは育児休暇を取る権利をもっているし、それゆえに一定期間職場からいなくなることが分かっている。そのことにはオンブッドも理解を示した。しかしこの場合には、病院側は彼女が予定している育児休暇の期間も尋ねなかった。オンブッドはこの点を批判すべきだと判断した。さらに、この職は妊娠している志願者にとって非常に重要なものであったのだ。彼女は特に弱い立場にいたのである。彼女の前の雇用主は破産し、全ての従業員を解雇し、彼女は一時的に無職だった。新しい職の確保もなく、妊娠中の彼女を雇ってくれるところもなかった。

オンブッドは、病院側が男女平等法に違反したと判断した。

男女平等法の発展

オンブッドは自らの意見を積極的に発言することで、男女平等法の発展に大きな役割を果たしている。1999年には、オンブッドは36個の様々な目標についてコメントした。

1999年10月、子ども家族省は男女平等法の全面改訂にむけての案を提出した。
提出された改定案の多くは、事前にオンブッドによって提案されていた案と一致した。

法の義務

全ての雇用主、雇用主組合、従業員組合は、その運営の中で男女平等を積極的に促進することを義務とする。

年一度の報告

全ての職業は、年に一度、男女平等に関する報告を行うことを提案する。報告は、どのような効果があったか、差別を減らし、男女平等を促進するためにためにどのような計画が立てられたか、という供述を含むものとする。

同等の働きには同等の給与を

同一の雇用主に雇われて、同一の働きをした女性と男性には、同額の給与が支払われるべきである。(第5条)この規定は従業員が職種や団体協約に関する考慮抜きに同一の給与を請求できるように修正案が提出された

この効用を強調するために、子ども家族省は職務査定の使用を提案した。

高等教育の割り当て数

法律は、男女平等を促進することが明らかであるならば、男性と女性の有利になるような積極的な行動が求められる。高等教育における割り当て数が、男女平等を保障するのに用いられる場合は、適当な割り当て数の使用に限定される。
政府の提案は積極的な行動のより基本的な形の使用を求めるものである。

男女平等上訴委員会と団体協約

政府の提案では、男女平等カウンシルは、男女平等法に関連した合法な団体協約のもとに、発言権を持つ。男女平等カウンシルはノルウェー労働裁判所に付随する訴訟を裁くことは出来ない。しかし、その供述は男女平等法と一致しない団体協約を気づかせることは出来るかもしれない。

補償

現在では、補償は過失か意図かに基づいてのみ主張される。有罪かどうかは確証されにくいので、規定も充分な強さを欠く。
提案された規定は現在厳しい責務も含む。

セクシュアル・ハラスメント

労働者の保護や労働環境に関する法は、雇用主が、従業員をセクシュアル・ハラスメントなどのいやがらせから守ることを義務付ける。男女平等法を通して、従業員、学生、組合員も保護を受けるものとする。このような規定を成文化することで政府は訴訟の一つの独立した意味を確立した。(男女平等オンブッド)

委員会における男女平等

政府は、公共の場だけでなく、個人的な委員会でも男女平等を達成するための様々な方法を提示する。

Ms.クリスティン・ミーレ
ノルウェーの新しい男女平等オンブッド

「まもなく公開の男女平等法の改定をお楽しみに!」

もしも彼女が3つの願い事をかなえてあげるといわれたら、彼女は若い少女たちに、大人と同じように経済的に自立できる教育を選ばせるであろう。子供と接する職業の労働者の給料を劇的に上昇させるであろう。また、オンブッドの事務所に割り当てられた予算も増加させるであろう。

残念なことに、彼女は先の任命に続くような魔法の杖を持ち合わせてはいなかったが、まもなく発表される男女平等法の改訂版が、ノルウェーの、職場における男女平等を促進させるのに、より効果のあるものとして結果が出るのを望んでいる。

—私は法が現在よりもさらに広がりをみせて、社会における男女平等促進のためにより具体的な活動が実行されるようになればいいなと望んでいます。

クリスティン・ミーレさん(44)は、2000年6月30日、6年の任期で、内閣において国王の名のもとに男女平等オンブッドに任命された。男女平等という分野にとって新しい人物だっただけではなく、オンブッドの事務所にとっても新しい顔であった。4月に彼女の前任者であるアンネ・リーセ・リーエルさんが法務省の副大臣に任命され、オンブッドを退任されたとき、ミーレさんは空いたポストに応募しない手はないと考えた。

—私が5年前にオンブッドの補佐官としてポストに志願したとき、一番の大きな理由は、オンブッドの担うチャレンジ精神や役割が非常に興味深いものだったからなのです。実際に訴訟や、個人にしろ組織にしろ、私の元にくる訴えを扱うのは楽しいです。また、オフィスのスタッフとともに働くのも楽しんでいます。
オンブッドとして働きたいという希望とともに、どんな事柄がもっとも優先されるべきことなのかを自分で考えたい、そして自分のやり方で実行したい、という欲望があるのです。

彼女は慌てて、オフィスで扱われているようなやりかたで改革が行われるべきではないが、と強調する。彼女のオンブッドとしての目標は、彼女の前任者とそう違うわけではない。

ミーレさんは、改定案が通った際にはそれに従い、男女平等についての知識を深め、感度を高め、男女平等におけるオンブッドオフィスの地位を強力なプロの国家施設として強化する、ということを目標としている。

ミーレさんは4人目のノルウェー人の男女平等オンブッドである。彼女はオスロ大学の法律の学位を持つ弁護士であり、労働検閲の重役と移民管理の重役としての職歴を持つ。彼女の、男女平等に関する仕事がしたいという願望は、彼女の高校生時代までさかのぼる。

—70年代に育ったノルウェーの若者として、政治的問題に関して自分の意見をもつというのは必須のことだったのです。たとえばEUへの加盟とか、環境保護とか、男女平等とか。私は私の政治的に関心が合った出来事を職業にまで持ち込んだのです。当時、法律なんて退屈な、上流階級の話題でしかなかった。
私には法律制度の興味深い社会的な側面に目を向けることが重要だったのです。JURKで働き始めたとき、センターは法律学生によって運営されていました。彼らは無償で女性に法律的なアドバイスを与えたりしていました。「目標」のためと、全く違った環境の一部になること、その両方だったのです。

Q—あなたが考える男女平等のコンセプトとは?

—私にとって、平等とは人権に関することです。平等に扱われること、そして社会において男性と同じ地位につくことです。同時に、「男女平等」とは、性的中立を意味します。社会から、男性女性両方に対する差別を削除することです。私の仕事の多くは社会における女性の地位を向上させることですが、男女平等とは、女性の権利のためだけに戦うことではないのです。男女平等というのは、天秤のようなものです。両方の性のバランスが取れていなければ、どちらの性に負荷が掛かっているという考慮なしには男女平等はありえないのです。

オンブッドの役割

Q — ノルウェーにおいて、オンブッドと男女平等法のもつ重要性とは何なのでしょう?

男女平等を忘れること。

ミーレさんは特に最近の労働市場における迅速で優れた変化について、このような状況で男女平等という側面はどのように考慮されていくべきかについて考察している。

—たとえば組織的変化の真っ只中にある会社のように、変化がすばやく起こっていく中で、男女平等に関する側面が忘れられてしまうのをあまりにもよく見かけます。同時に、これは男女両方の労働者に同じように有利になる大きな変化をはじめるのにいいチャンスでもあるのです。今私が綿密に調べようと思っている事柄が、計画されているノルウェーの公共部門の改革です。今回のように大きな改革は、ジェンダーの観点から見てかなり進歩的な結果を生む可能性のある計画や行動を包括する絶好の機会なのです。この件に関しては私がよき番犬となりましょう。私ミーレが約束します。

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